工芸品?

SIGNET シグネット12500 [3/8DR 72ギア ラチェットハンドル] 1480円【ヨドバシ】148ポイント
シグネットの3/8ラチェットです
ワタクシ工具オタクですから3/8はすでに余るほど持っているのですがこの商品は以前からやたら値下げされてて目についてました
それでも買うつもりは無かったのですが値下げにつぐ値下げでついに1,480円!
ヨドバシなのでポイントがついて実売は1,300円くらいでしょうか
ついに安さと物欲に負けたという訳です
なかなか変わった形状です

青い部分はプッシュリリースになっていて非常にキレイです
この製品の特長は72T×2だそうです
×2というのはギアを二つ合わせる事によって144T相当になるそうです

つまり2.5度の送り角という事ですね
私が持っている中で一番歯が細かいのがコチラ

H&H 108Tラチェットハンドル 3/8 HCR-30
こちらは108Tなので3.3度 これでもめちゃくちゃ細かいですがさらに細かくなっています
もうこれ以上は無段階になるんじゃなかろうかと思ってましたが上には上があります
実際に比較してみます
さすがに1ピッチだけじゃ誤差レベルなので5ピッチほど回します
まずは私のメインであるアストロの72T

せいっ

計算上25度になるはずですがガタがあるので若干広いですかね
次にH&H 108T

とうっ

計算上は16~17度くらいなのでアストロに比べると画像でも若干角度がキツイですね
そしてシグネット

ソレッ

計算上は12.5度 う~ん108Tより若干狭いですかね

ただ1度や2度の差ってもうガタで出ちゃうんですよね
ですので例えば振り角が本当に3度しかないような状態だったらいくらシグネットのものでも無理でしょう
5度6度と増えて行けばその差が出るかもしれませんがそんな場面遭遇するかな・・
歯数を小さくせずあえて72×2にしたとこうことは強度的には勝るんでしょうか?
その分ヘッドには厚みが出ています

比較するとまあまあ厚いですね
続いて空転トルク
H&H108Tとの比較

108Tもかなり軽いですがそれよりシグネットの方が軽い
軽さが売りのコーケンとの比較

コーケンの方が軽い
コーケンはやたらめったら軽いのでシグネットも十分軽いと思います
重さ
シグネット 263g
108T 203g
長さは同じくらいですがやっぱりヘッドの大きさと握り部分の重さで結構な差があります
そして一番気になる形状

この形状を見れば誰でも思うでしょう 「それ滑らんの?」
という訳で簡単な実験を
まずはグリップ部分に相棒のKURE5-56を塗布

くらえ
そして以前購入した秤に引っかけて

軍手をつけて引っ張って何キロまで耐えられるか測ってみました
これは1人じゃ撮影無理だったので写真はありませんが
結果は7㎏
といっても何のこっちゃでしょう 他のハンドルは15㎏を超えてもまだ引っ張れましたが不安定で危ないのでやめました
つまり相当滑るという事です
そりゃまあこの形状でローレット加工も無しじゃ滑るに決まってますね
なかなか謎の工具ですね
デザインに全振りしてるかと思いきや72T×2という新しい機構を取り入れたり
正直言って実用性だけなら他のものを選ぶのが正解でしょう
だからこれだけ値下げされてるのかもしれません
でもこの価格なら間違いなく買いですよ
質感は高いし見た目もキレイですし何より他にない物珍しさがあります
他のラチェットと比較して実用性が落ちるというだけでDIYで困るようなものではありませんしね
庶民の工具オタクにとってはこういう値崩れした商品って有難いというか楽しいですよね
ここからは余談ですが
まるで美術品のような工具ですが【道具・工芸品】と【美術品】の違いを簡潔に説明できますか?
フェラーリは芸術品とも言えますがどんなに美しく希少でも道具です

答えは実用性の有無です
ハイ以上全てテレビの受け売りです しかもうろ覚えですので間違っても人前で得意げに言わないでください
ちなみにフェラーリ250GTOはイタリアの裁判所で芸術品として認められたそうです

まあ明確な線引きなんてないのでしょう