251㏄以上で一番売れているバイクはZ900RSだそうです
大型二輪が教習所でお手軽に取得できるようになったおかげですね
私も教習所でとりました
しかし教習所とはいえ試験となると緊張するものです
2輪教習の場合は仮免許の試験がないので卒業検定の1回切りです
試験内容は校内法規走行・S字・クランク・スラローム・急制動・一本橋・波状路ですかね
まあバイクの検定なんで特に難しい事はありませんし卒業検定受けるって事はそれまでの教習で教官からOKのサインをもらっているはずです
私が行った教習所では待合室に待機して呼ばれたら1人づつ検定を行うという流れでした
それでなくとも緊張するのにこのやり方は余計緊張しますね
私が受けた時のメンバーは私(24)、大人しそうなメガネの大学生、30歳くらいの綺麗なお姉さん、60くらいの太ったおじさんの4人でした
この中でよくしゃべるのはおじさんだけ
「ここまで来るのに苦労しましたよ~」なんて言いながら見せてくれた検定簿にハンコが私の倍くらい押してありました
これは見極め失敗の度に追加された補修の判子
押す場所がなくなって紙を継ぎ足してそこにハンコが押してありました・・・
ココまで来るのに苦労したという割には検定もすでに1回落としてました
こりゃあ今日もダメかもなぁなんて思いましたが私も人の事を心配してる場合じゃありません
私の場合お金がないので一度たりとも補修や再検定は許されないのです
そういう意味ではおじさんの方が気楽です
無料で再試験受けられるならいいですが普通は再検定の料金に加えて市補修が1時間程度プラスされるので合計10000円くらいかかりますから相当痛い
一番最初に呼ばれたのは私 私としては1番目はありがたい
普通にやってりゃ落ちる事はないだろう、もし落ちるとしたら一本橋だろうなと考えてました
その一本橋は検定の中盤にあるのが嫌でしたね
他で落とす事はあまり考えられなかったし途中の検定科目は特に減点も無さそうだったので一本橋で減点されても合格だろうと一気に走り抜けました
最後は急制動だったかな
検定が終わり再び待合室に戻りました
合否は全員が終わってからだそうです
でも検定って減点方式なんで最後まで走り終えたら合格でいいような気がしますまあ合格した人間がはしゃぐのも他の人にとっては迷惑でしょう
メガネの青年が「大丈夫そうでしたね」と何の根拠もない事を言ってくれましたが自分でも大丈夫だろうと思ってました
次はお姉さん クールビューティーで緊張はしてない様子

さすが大人は違うなぁ・・・と思ってたらエンジンがかからない
スタンドは上がってるし理由は不明ですが焦っている様子、教官が何かを指摘するとエンジン始動しましたがあせりからか発進でウインカーを忘れるわ点けたと思ったら今度は消し忘れて前半はもうボロボロでした
しかし中盤からは冷静さを取り戻し残りの科目はそつなくクリアしました
戻って来たお姉さんはやっちまったという感じで浮かない表情です
私もこれはダメかもなぁ・・・なんて思ってました
「緊張して全然ダメでしたヨ~」と最初のイメージとは違って可愛く言われたものの何て答えていいかもわからず「はぁ・・」としょうもない返答するだけ
3番目は青年 緊張はヒシヒシと伝わってきますが失敗らしい失敗もなく無難に走り切りました だれがどう見ても合格でしょう
そして最後はおじさんですが、途中から一言も発しないまま己と向かい合ってました
もう終わった私でさえ緊張してしまう程にすさまじい緊張感を放っていました
いざ検定に入るとおじさんの人柄を表すような走行でした
必要以上に左右の確認をしまくりCB750をカブの如きゆっくりとスタートさせメリハリのない走りでのらりくらりと科目をクリアしていきます
メリハリのない走りは減点対象であるものの不合格になるようなレベルではないと思われます
終わった3人はハラハラしながらおじさんを見ていました
私も含め皆がおじさんを心の中で応援していたでしょう
失敗らしい失敗はウインカーの消し忘れ、多少ふらついたのと一旦発進しかけて他の車をみて再び停まったのがどう評価されたか微妙なところです
全員が終わるとそこで待つように言われました
待たされるかと思いきやすぐに
「お疲れ様です、本日の検定は皆さん合格です」
と言われました
はぁ~という安堵の溜息
学校を出てから久々に味わう緊張感と安堵感でしたね
もちろん一番喜んでいたのはおじさんです
教官に「ありがとうございます」とあいさつすると教官も検定簿を見て察したのでしょう
「ゴールじゃありませんスタートですよ」と笑いました
オジサンの喜びようは半端なくなんと卒業祝いをしようじゃないかと言い出しました
「卒業祝い・・・自動車学校で?」
私と青年は困惑しましたがクールビューティーはさすが大人です空気を感じて即座に「ごめんなさい この後予定があるので」とサッと帰ってしまいました
残されたのは2人、さすがにおじさんとマーツ―マンはキツイ
青年が帰ると言えば私も帰るつもりでしたが、青年も同じ気持ちだったようです
迷っていると「近くの中華料理屋に行こう、私が奢るよ」と話がすすみました
近くの中料理屋でビールで乾杯
正直行きたくなかった私にも美味しい一杯でした(まあビールなんていつでも美味いけど)
おじさんは堰を切ったように喋り出しました
今日の検定はあそこがダメだった、不合格だと思ったなどなど
オジサンは国産アメリカンを買っていつか北海道を走るんだと言ってました
バイク乗りの夢なんてありきたりなもんです
おじさんの話は尽きませんが2時間程度でお開きとなりました
最後にお互いの連絡先を交換していつか一緒に走ろうとおそらく実現しない約束をして別れました
当時はバイクの免許程度でそんな嬉しいもんだろうか・・・と思いましたがおじさん程じゃないにしろ年食った今多少分かるような分からないような
20代の人には分からないでしょうが年を取れば取る程新鮮な出来事は少なくなっていきます
60歳でバイクの免許をとり北海道をツーリングするというのはなかなか大きな事だと思います

おじさんは北海道を走ったんだろうか