轢いた罪と思い出は半分づつ?

醍醐味大ゴミ

若いうちにバイクを持つと標準的非社交的ライダーでもタンデムする機会があるものです
彼女、同級生、バイト先の同僚、amazonのCMの婆さん等々
ただ本当にタンデムが好きな女性なんているんですかね

若かりし頃彼女とケンカした際に
「好きで乗ってたんじゃない!アンタの趣味に合わせてあげてたんだ!」
と言われてそりゃそうだよなぁ・・と思いました
考えて見りゃタンデムなんて服装も限定され髪もグシャグシャになる飲み物は飲めない会話も居眠りもできないおまけに夏は暑く冬は寒い・・そして何よりコワイ
そもそも自分がタンデムで乗って楽しくないのに他人が楽しい訳がないのです
私も何度もタンデムシートに乗りましたがハッキリ言って怖いです
と言う訳でタイトルの初タンデムというのは初めて後部座席に乗った時の話です

ある日友達(ナオキ)から「バイクを買ったから見てくれ」と興奮気味に連絡がありました
特に興味もないですが暇だったので了承しました
家の前で待ってるとピカピカのスティードに乗って颯爽と現れました
こ汚いヘルメット渡され「乗れよ」と一言
別に乗りたくねーよと思いながらも跨って少しツーリングする事になりました

男同士でタンデムする場合相手の体を持つのは極めてキモチワルイので掴むのはシートのベルトか後にあるタンデムバーです
これだと信号なんかで発進が粗いと腕だけで身体を支えるのがとてもキツイ
信号で止まる度に「もっとゆっくり発進しろ」と言いますが「わかったわかった」と言うだけで一向に改善されません

その後も乱暴な発進が続きそのたびに文句を言うと「お婆さんかよ!」などと言いやがります
冗談じゃない!そもそもタンデムは乗ってやってるのであって乗せてもらってるんじゃありません
私のイライラは募るばかりですがナオキはそんなものはどこ吹く風、新車に乗ってご満悦です

しばらく走っているとナオキは「あ!」と言って急停止
ちなみにストップが粗い場合は密着する事になるので必死に耐える必要があります
ナオキはバイクを降りると今来た道を走ってもどりました
何事かと思って僕もあとに続くと道路に一匹にのヘビが死んでいました
最初から死んでいたのか轢き殺したのかは分かりません

ナオキはアホですが変なとこで優しいのでショックを受けていたようです
ですが50㎞/hで車の流れに乗って走行してたら避けるなんて無理な話です
下手に避けようとしたら大事故になるかもしれません

僕は「仕方ないだろう もう死んでるんだから行こう」といいました
するとナオキは信じられない事を言い放ちました

「タンデムしてたからお前の体重も加わってる、つまりこの罪は半分こだ」と・・

何をのたまってるんだこのアホはと呆れましたが同時に今までのイライラが爆発しました
僕達は路上でケンカ(口論)になりました

こんな状態でタンデムなどできるはずもなく僕はバスで帰ると言うとナオキは勝手にしろと言いました
見せびらかしに来たナオキはそのまま苦も無くバイクで帰るのに僕は付き合ったあげくにバスで帰る

ムカつくので「お前なんか蛇に祟られちまえ」と言ってやりました
その言葉がショックだったのか振り返るとナオキは死んだ蛇に手を合わせていました

僕だけ祟られると大損なのでナオキが去ってから一応手を合わせておきました


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